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2011/06/16 (Thu) 「ナオコ」

ナオコさん。

直子、尚子、奈緒子、どんな字なのかは分からない。

ただ、彼女がナオコと言うのははっきり覚えている。

それは、皆にそう呼ばれていたから。

どうしてナオコの文字を聞かなかったのかというと、

聞くほどの時間も無かったし、そんな距離感にもならなかったから。

それでも、彼女を見たとき妙に納得したのを覚えている。


「…ナオコだ」


黒いタンクトップにジーンズ、スウェードのリングブーツを履いてた。

のら猫みたいにナオコさんは現れた。


オリオン通りという繁華街があって、繁華街と言っても地方だから21時にもなればほとんど店は閉まってる。

営業しているのは安居酒屋とカラオケボックス位で、人通りもまばら。路地を一つ入れば点いてるのは外灯位。

それでも県内一の繁華街。

「カニ君」と呼ばれる一つ上の先輩とバイト先のガソリンスタンドが終わって、二人で繰り出した。

「あ、ナオコだ」ってカニ君が言った先にナオコさんはいた。

通りを横切るように路地から一人で現れた。

「ナオコ~!」、カニ君が呼ぶと。

ナオコさんは大きく手を振って、そのまま路地に消えた。


黒髪のショートで、手足が長いスラッとした人。

なんか探してるように歩いてた。


「あいつ何やってんだ?」カニ君が呟いた。


当時は携帯もないから、多分仲間がいるであろう飲み屋に行ってみる。

大抵、何人かいる。

それで、そこにいなかったら、そいつは何かしら用事があるんだろうということで、

また来週会えるでしょ、って感じだ。

「今、どこにいるの?それじゃ、そっちに向かうよ」なんて事は無かった。


その日もそんな感じで店に向った。

「誠ちゃん」という人がいた。他にも何人かいたんだけど誠ちゃんが中心だった。

誠ちゃんはSRに乗っていて、ナンバーが盗まれたらしく段ボールの手書きだった。

なんやかやしてたら、

ナオコさんがやって来た。


切れ長の目をしてた。

カニ君が紹介してくれたら、

「ナオコです」と言った。

「…ナオコだ」と思った。

「さっき何やってたの?」とカニ君が聞くと。

「ちょっと探し物」と答えた。

ラムコークを注文して、飲み終わると、

「行くとこあるんだ」と言ってナオコさんは店を出ていった。

その間に二言三言話したと思うんだけど覚えて無い。

「またね」

「あ、はい。また」

が最後のやり取り。



明け方、誠ちゃんとナオコさんが同じリングブーツを履いていた事が頭の中で回っていながら帰った。


それから数回その店に行ったけどナオコさんは来なかった。

暫くしてカニ君からナオコさんが東京に行ったと聞いた。

なんでも彼氏を追いかけて行ったらしい。


誠ちゃんは変わらずにその店にいた。


18の頃の話。

ナオコさんは一つ上。





「ピトロクリの谷」プロット間もなく!

おりゃ!






























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